10月 192012
 

こんにちは、
今回は、USBシリアルコンバータに関する話題です。

USBシリアルコンバータというとRS-232C機器をパソコンのUSBポートへ接続するときに使用する場面を
思い浮かべる方が多いと思いますが、ここで紹介するUSBシリアルコンバータはそれらとは少々異なるものです。

低電圧シリアル向けのUSBシリアルコンバータです。

接続する相手はRS-232C機器ではありません。組込み機器やマイコンが相手です。

古くから、マイコンにはUART機能(非同期シリアル通信機能)が内蔵されており
デバッグには非同期シリアルポートを使うことが一般的でした。
このシリアル通信の入出力レベルは、マイコンのロジック回路の電圧に依存しており、
0~5V、0~3.3Vや0~1.8V 等となります。

このような低電圧シリアルインターフェイスに接続するために設計されたUSBシリアルコンバータが、
REX-USB6000E 】です。

REX-USB6000Eに関する最新トピック
Android端末からREX-USB6000EへアクセスするためのターミナルアプリUSB60Term2を Google Play にて公開しています。
logo_google_play
USB60Term2-HexMode


少し前までは、パソコン本体に標準でRS-232Cポートが搭載されていました。
RS-232Cの信号レベルは、GNDに対して、±5~15Vの電圧を持つシングルエンドの信号になっているため、
パソコンのRS-232Cポートへマイコンのシリアルポートを接続しようとすると、
マイコン側にレベル変換回路を追加して、RS-232Cの信号レベルで通信を行うのが一般的でした。

その後、パソコン本体にUSBポートが標準で搭載されるようになり、RS-232Cポートがなくなってきてからは、
当社のREX-USB60FのようなUSB-RS232CのUSBシリアルコンバータを使って接続する方法に変化してきました。
マイコン側にRS-232Cレベル変換回路を搭載するという点では変わっておりません。

REX-USB60Fの特注仕様で9ピンから5Vを外部に供給できる REX-USB60FPW という製品があるのですが、
元々 弊社内の開発現場では、RS-232Cドライバ/レシーバICの下にパターンを設け、
ドライバ/レシーバを実装せずに、0Ωの抵抗を実装する改造を行って、FTDIのFT232BLのレベルで通信するものを
デバッグではよく使用していました。
TTLレベルであれば、これで十分でした。

ところが昨今は、マイコンの低消費電力化が進み、どんどん低電圧化しています。
そのため、REX-USB6000Eでは、さらなる低電圧(1.8V~)に対応できるよう
レベルシフタを使用することで低電圧マイコンのIO端子でも直接ドライブできるものとしております。

よくあるUSBシリアルのコントローラから直接駆動するタイプのものとは違い、
低電圧/アイソレーションAMPなどにも対応できます。

低電圧マイコンのシリアルポートとの直接接続が可能ということで、
マイコン側のレベル変換回路が試作開発段階から不要となり
開発工数の削減、コスト削減に貢献でき、マイコン開発者は本来の開発作業に専念できます。

以下にREX-USB6000Eの特徴を列記します。

  • その1 低電圧マイコンのシリアルポートと直接接続が可能

      レベルシフタの搭載により、低電圧(1.8V~)シリアルポートへ
      直接接続が可能です。

  • その2 外部に絶縁回路などを接続するための電源出力が可能

      外部に絶縁回路を追加する場合の電源として、USBバスパワーを使って
      VBUSをPower端子から出力することが可能です。

  • その3 ハウジング付きバラ線ケーブル添付(シリアル用)

      基板上にはシリアルケーブル接続用にXHコネクタを搭載し、
      ハウジング付きバラ線のシリアルケーブルを添付しています。

      シリアルケーブルの相手側がバラ線になっているため、
      そのまま自由にハンダ付けして接続することができます。

  • その4 USBコネクタは、ストレートとライトアングルから選択可能

      あえて、USBコネクタを実装していません。
      ユーザーの用途にあわせて、ストレートタイプまたはライトアングルタイプの
      USBコネクタを実装していただけます。

  • その5 シャーシやケースにネジ留めが可能

      基板をネジ留めしてマウントできるようにするφ3.2mm(NTH)の穴が
      四隅に設けられています。

  • その6 基板上にPower/TX/RXの3つのインジケータを搭載

      Powerは、USBバスがアクティブになったときに点灯します。
      TX/RXは、シリアル信号の送受信を簡単に目で確認できます。

  • その7 USBシリアル変換コントローラは、FTDI社製FT232RQを採用

      USBシリアル変換チップとして非常にポピュラーで実績のある
      FT232シリーズを採用しています。

  • その8 基板外形図や回路図をWebで公開

      ユーザーが自らカスタマイズしやすいよう基板外形図や回路図も
      すべてオープンになっています。

USBコネクタを半田付けをして、相手側のシリアル信号へシリアルケーブルを直接接続し、
すぐにでもPCから簡単にアクセスできるようになります。
しかも、PCとの接続がUSBケーブルのため使いたいときだけUSBポートへ接続し、
使い終われば、USBケーブルを抜くだけでよいといった手軽さもあります。

どうですか、今回紹介させていただいたUSBシリアルコンバータ REX-USB6000E
ものづくりを行っているエンジニアにとって非常に使い勝手の良い手頃なツール
として1つは持っておくと便利ですよ。

今回は、マイコンエンジニア向けのUSBシリアルコンバータ REX-USB6000Eの紹介でした。

※ その他詳しい情報が知りたい場合は、「REX-USB6000E ユーザーズマニュアル」および基板外形図、回路図等でご確認ください。これらのファイルは、RATOC e2e Storeの「REX-USB6000E」の製品ページのダウンロードの画面で公開されています。

それでは、次回をお楽しみに


この記事で紹介した製品

REX-USB6000E製品画像
REX-USB6000E - USBシリアルコンバータ

REX-USB60F製品画像
REX-USB60F - USBシリアルコンバータ

REX-USB60MI製品画像
REX-USB60FPW - USB to Serial Converter [電源供給対応]

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