こんにちは、
今回は、記録媒体の主流として長らく利用されてきたフロッピーディスクドライブ(FDD)に関する話題です。
ここ数年、家電量販店などでは、FDDを搭載したパソコンを販売している光景を見ることはなくなりました。
記録媒体がフロッピーディスクからCD-ROMやDVD、最近ではUSBメモリに変わってきています。
このような背景から2010年頃、FDDのメーカーは生産を打ち切ることが明らかになりました。
しかしながら、FDDをまだまだ現役で使用している現場も少なくはありません。
数百万円もするような機械や計測装置などでも以前は記録媒体としてフロッピーディスクを採用していました。
こういった装置は、FDDが故障したからといって簡単に本体を買い換えるわけにもいきません。
工場では今も動作している機械や計測装置など十年以上継続して動作しているシステムに使われているのです。
このため生産中止前に保守用としてFDDやフロッピーディスク(FD)の買いだめ等を行っていたそうです。
保守在庫もいずれは尽きるもの、当社では2009年後半からFDDの代替えとなるFDDエミュレーターの開発に取り掛かりました。
REX-FDCFという製品です。
この製品は、FDDエミュレート機能をもったコンパクトフラッシュ(CF)カードリーダーライターです。
CFカードに対してFDインターフェイスのデータ読み書きを行います。
パソコンとは、FDD接続用の34pin信号ケーブルと4pin電源ケーブルでそのまま接続できるため、 フロッピーディスクドライブ(FDD)をそのまま置き換えることが可能です。
CFカードになったので、「アクセス速度は速くなりますか?」、「データ保存容量は増えますか?」 といった質問が寄せられますが、FDインターフェイスをそのまま使用しているのでアクセス速度も、データ保存容量もFDDと同じです。
なので、4MBのCFカードも4GBのCFカードも、同じ1.44MBのフロッピーディスクとして扱われます。
今では小容量のCFカードを購入することができませんが、贅沢な使い方をしてしまいます(笑)
まず、FDDエミュレーターの開発に取り掛かるにあたり、FDインターフェイスそのものに関する資料が少なく、どうやって作り込んで行けば良いのか悩みました。
技術的には30年以上も前の話のため、情報も乏しく、数ある規格からどのように枝分かれをして現代のスタンダードになったのかなど、調べるにつれて、不思議がたくさんでてきました。
FDDに関する書籍は既に廃刊になっているので、基本的に古本で購入するしか手がありません。
今では数少ない古本屋を何軒か回ったものの目的の書籍には巡り合わず、本のコンディションがわからないがネット上で購入するしかないな、とあきらめていました。
余談ですが、欲しかった書籍は、毎朝通るロッカー前の本棚に整然と鎮座していたのは、笑い話なのですが・・・
本物のFDDでは、ヘッドがフロッピーディスクの表と裏にあり、どちらかのヘッドが選ばれています。フロッピーディスクには一つだけインデックスホールがあります。インデックスホールを検出するとパルスを出し回転方向にあるセクターの開始位置を示す仕組みになっています。トラックは開始位置を示す仕組みがあり、方向制御とパルスの組み合わせで1トラックずつ移動する仕組みになっています。フロッピーディスクが回転しドライブがセレクトされると常にリードデータパルスを出し続けます。ライトゲート信号を受けると、ライトデータパルスをフロッピーディスクに書き込みます。
フロッピーディスクに書き込まれているデータは磁気化されています。データパルスを受けるとN極とS極が反転する仕組みです。棒磁石が並べられていて、N極とS極の配列を変えているようなものです。
このデータパルスですが、フロッピーディスクでは、 FM (Frequency Modulation) とMFM (Modified Frequency Modulation) という記録方式が使われており、REX-FDCFはMFM記録方式にのみ対応しています。
FDDエミュレーターでは物理的な円盤がありません。 データの読み書きは、機械的・磁気的ではなく電気的・論理的に行います。当たり前なのですが、実は非常に難しいです。
次回は、FDDエミュレーターの読み書きについて説明します。
「FDDエミュレーターについて(その2)」へ続く。
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FDDエミュレーターについて(その2)
FDDエミュレーターについて(その3)
FDDエミュレーターについて(その4)
FDDエミュレーターについて(その5)
はじめまして 私は技術者ではありませんが 個人で細々PCの修理等の下請けをしているものです 御社のFDDエミュレータも何とか手に入れて目下実験中です NECPC-98ようがほしかったのですが LAND社さまが御社のユニットを使用して試作されたのも手に入れ検証中です 今 日立製8インチFDDの互換エミュレータが作れないか たいした知識技術も持っていませんが 思考錯誤しています 私のところにくるPC修理で某大手メーカさまの工場でいまだに使われて何とかできないかとの 相談も受けますが 学歴もなく技術者上がりのものでないため苦慮しています
このページを偶然見つけ 参考にさせていただきます ありがとうございます